ショーイング
スペシャルプログラム
公演
さまざまなジャンルの表現者が大胆に交流しながら、芸術を根源から問い直そうとした70年代。美術、建築、演劇、舞踊、デザイン、写真、音楽、漫画、既存 の表現を疑い、原点を探るような試みが行われました。ダンスでは舞踏の勃興に加え、ポストモダンの影響下で多様な身体の実験が行われ、コンテンポラリーダ ンスの今に繋がっています。
本企画は、70年代の前衛的ムーブメントを振り返るとともに、その実験精神が現代芸術にどのように更新されているのかを探る試みです。 その時代の体現者である榎本了壱氏の監修のもと、地元で活躍する映画・音楽のプロデューサーともコラボして、各界のレジェンドたちからコンテンポラリーの旗手が集い、トーク/映画上映/パフォーマンス/パーティを展開します。
会場となる「HONMOKU AREA-2」は、横浜・本牧にある旧・映画館を活用した新たなアート拠点です。1996年に建てられたシネコンが、閉場して4年余。客席が撤去された 空っぽの巨大空間は不思議な魅力を放っています。今回は仮設環境となりますが、実験精神であらゆる場所が表現者の場となった70年代をフォーカスする本企 画をスタートに、表現者の果敢な挑戦の場/世代やジャンルを越えた人々の交流の場となるオルタナティブスペースとして始動します。
監修◆榎本了壱
プロデューサー◆岡崎松恵
舞台監督◆原口佳子 照明◆筆谷亮也
音響◆中原楽(LUFTZUG) Web制作◆加藤和也
記録映像◆青山真也 記録写真◆森日出夫
広告デザイン◆榎本了壱+蛭田恵実(ATAMAMOTE international)
制作アシスタント◆高谷楓
プログラム
TALK【アートーク レジェンド70】
【イラストレーションがアートを超えた日/山口はるみ・宇野亞喜良】 7月31日(金)14:00〜16:00
【TVコマーシャルにチャンネルを合わせた/十文字美信・川崎徹】 7月31日(金)17:00〜19:00
【ポストモダンダンスの時代/厚木凡人・國吉和子】 8月1日(土)14:00〜16:00
【ハルヲフォンとスネークマンショー/近田春夫・桑原茂→】 8月1日(土)17:00〜19:00
【状況劇場と天井棧敷/四谷シモン・萩原朔美】 8月2日(日)14:00〜16:00
【ムーンライダーズと燃えよタマゴン/鈴木慶一・竹中直人】 8月2日(日)17:00〜19:00
料金:各回 一般 前売1,300円 当日1,500円/学生・シニア 前売1,000円/当日1,200円 * 1 drinkつき|会場:シアター2(3F)
CINEMA
【荒木経惟 アラキネマ特集】
Aプロ:7月31日(金)16:00?17:00/8月1日(土)19:00?20:00
去年ノ夏(05年)/花秋(04年)/冬春(04年)
Bプロ:7月31日(金)19:00?20:00/8月2日(日)16:00?17:00
67?天才ノ反撃(05年)/7月(06年)/遺作 空2(09年)
Cプロ:8月1日(土)16:00?17:00/8月2日(日)19:00?20:00
青ノ時代(05年)/緊縛色淫(06年)/愛ノ花(07年)
【70年代映画特集】
Dプロ:松本俊夫「薔薇の葬列」(69年/107分)
7月31日(金)13:30?15:20 / 8月1日(土)11:45?13:35 / 8月2日(日)20:15?22:05
Eプロ:寺山修司「トマトケチャップ皇帝」(71年/オリジナル完全版75分)
7月31日(金)11:45?13:00 / 8月1日(土)14:00?15:15 / 8月2日(日)11:45?13:00
Fプロ:アレハンドロ・ホドロフスキー「エル・トポ」(69年/123分/R-15+)
7月31日(金)20:25?22:30 / 8月2日(日)13:30?15:35
料金:各回 一般1000円/学生・シニア 800円|会場:シアター1(3F)
PERFORMANCE【3パフォーマ】
Aプロ:篠田千明「The 5×5 Legged Stool ? 四つの機劇より」7月31日(金)20:00開演
Bプロ:黒沢美香「ロマンチックナイト in 本牧」 8月1日(土)19:00開演
Cプロ:梅田哲也「シネコンに亡霊をよぶ」8月2日(土)19:00開演
料金:A/C 前売2000円・当日2500円 B 前売2500円・当日3000円 *学生500円引き|会場:シアター8(5F)
PARTY 【大貫憲章 in YOKOHAMA 70’sスペシャル】
8月1日(土)20:00-24:00|料金:前売2000円/当日2500円 *別途1ドリンク代|会場:ホワイエ(3F)
厚木凡人(コレオグラファー/ダンサー)
1936年1月1日生まれ。伊藤道郎、石井みどりに師事。 58、59年全国舞踊コンクールで1位(文部大臣賞)となる。66年ニューヨークのジュリアード音楽学校でA.チューダーに師事。ポストモダンダンス台頭の渦中から帰国後、『噛む』『吐く』『花は紅い』『方位投射』『裂記号』シリーズ等の作品で、日本のダンス界に衝撃を与える。70年、71年、81年舞踊批評家協会賞受賞。75年「DANCE TODAY」企画、上演。89年スターダンサーズ・バレエ団芸術監督となった。
荒木経惟(写真家)
1940年東京都出身。63年千葉大学工学部写真印刷工学科卒業、同年カメラマンとして電通に入社。64年下町の子ども達を撮った『さっちん』で第1回太陽賞受賞。アラーキーの愛称で親しまれ、500冊近い著作と、世界各都市でおこなわれる個展を通して、その作品と活躍ぶりは幅広く知れ渡る。94年「日本文化デザイン大賞」受賞。08年芸術への貢献によりオーストリアの芸術分野における最高位の勲章「オーストリア科学・芸術勲章」を受勲。12年「第6回安吾賞」を受賞。
宇野亞喜良(イラストレーター)
1933年名古屋生まれ。名古屋市立工芸高校図案科卒業。日本デザインセンター、スタジオ・イルフイルを経てフリー。日宣美特選、日宣美会員賞、講談社出版文化賞さしえ賞、サンリオ美術賞、赤い鳥挿絵賞、日本絵本賞、全広連日本宣伝賞山名賞、10年旭日小授章受章。東京イラストレーターズソサエティ会員。
梅田哲也(ライブや展示などの作家)
1980年生まれ。02年以降ヨーロッパにおける数々の音楽フェスティバルに出演。Festival Bo:m、Theater Spektakel、Noorderzonなどパフォーミングアーツのフェスティバルやプロジェクトでも作品を発表し、ソロのみならず、非パフォーマンス人員を巻き込んだコラボレーション作品を多く手掛ける。国内外の美術館およびオルタナティブな空間でインスタレーションを発表するなか、08年の個展『門』や11年からの Breaker Projectとの共同作業など、建築構造から観客の行動までを素材とした体験型のプロジェクトを展開。
榎本了壱(クリエイティブディレクター)
1968年武蔵野美術大学在学中より、『季刊FILM』(草月アートセンター)、天井棧敷に関わる。69年「蛞蝓姫物語」(モワティエモワティア舞踊会)台本・共同演出で、第1回舞踊批評家協会賞。75年月刊『ビックリハウス』を萩原朔美と創刊。80年より「日本グラフィック展」「オブジェTOKYO展」「URBANART」などのプロデュース。アタマトテ・インターナショナル代表。日本ダンスフォーラム(JaDaFo)メンバー。
川崎徹(演出家/小説家)
1970年早稲田大学卒業、広告制作会社での2年間の演出助手を経て72年より02年までCM演出家として1000本余のTVCMの企画演出に携わる。主なクライアントはフジフイルム、キンチョー、松下電器、サントリー、西武百貨店など。05年頃より小説を発表、現在に至る。著書『猫の水につかるカエル』(野間文芸新人賞候補作品)『最後に誉めるもの』など。
國吉和子(舞踊評論・研究家)
1970年代は早稲田大学の学部から大学院に籍を置いていた頃で、まさに青春時代。73年土方巽の「静かな家」に衝撃を受け、そのまま暗黒舞踏の世界にはまり、舞踏と名のつく舞台を見まくる。が、残念ながら舞踏家にはならず、舞踊評論・研究家を専らとする。現在、多摩美術大学客員教授他、大学兼任講師。著書『夢の衣裳、記憶の壺――舞踊とモダニズム』。主な論考に「『病める舞姫』試論――そして絶望的な憧憬」など。
黒沢美香(振付家/ダンサー)
1957年横浜生まれ。5歳から舞踊家である両親(黒沢輝夫・下田栄子)のもとでモダンダンスを習う。1982?85年NYに滞在、ジャドソン・グループの出来事に出会い、その痕跡を追いかける。帰国後は「黒沢美香&ダンサーズ」と名乗り、異なるジャンルのアーティスト等と即興性をベースとした作品の反復/連続上演を15年間継続。99年長編ソロダンス『薔薇の人』シリーズを開始。受賞歴多数。日本のコンテンポラリーダンス界のゴッドマザーと呼ばれる。
桑原茂→(選曲家/編集者)
1969年(18歳)スカウトされ港区西麻布でmusic・BAR「キャッチ・ボックス」を開店。71年(20歳)アメリカのカウンターカルチャー誌『ローリング・ストーン』日本語版に参加。73年(22歳)ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン、パリ視察。75年(24歳)スネークマンショーの前身にあたる・エドウインの店頭BGM制作を開始。80年(29歳)スネークマンショー、ブレイク。82年(31歳)原宿に日本初のクラブ「ピテカントロプス」開店。15年(64歳)フリー・ペーパー『ディクショナリー』(88年創刊)継続中。
篠田千明(演出家/作家)
1982年東京生まれ。04年に多摩美術大学の同級生と「快快(faifai)」を立ち上げ、12年まで中心メンバーとして、主に演出・脚本・企画を手がける。国内外のフェスティバルや劇場に招聘され、10年『My name is I LOVE YOU』がチューリヒ・シアター・スペクタクル(スイス)にて最優秀賞受賞。12年からバンコクに移住。Fabbrica Europa(イタリア)、テアター・デア・ヴェルト(ドイツ)参加など、アジアを拠点としながら国際的に活動。
十文字美信(フォトグラファー)
1947年3月4日横浜市出身。71年フリーの写真家になる。ファッション誌、週刊誌の撮影仕事や、広告写真を手がけながら並行して作品集発表をする。74年処女作品集『Untitled』がニュー・ジャパニーズ・フォトグラフィ展(ニューヨーク近代美術館主催)に招待出品されて脚光を浴びる。写真集『蘭の舟』、『感性のバケモノになりたい』等。04年多摩美術大学教授就任。08年デジタル一眼レフカメラの動画撮影機能を用いて、処女作『彼岸花』、ショートフィルム『さくら』『おわら風の盆』を発表。
鈴木慶一(ミュージシャン)
1951年8月28日東京生まれ。70年頃より音楽活動を開始し、あがた森魚、はっぴえんどのサポートを行なう。71年「はちみつぱい」を結成し日本語によるロックを追求した。75年ムーンライダーズを結成し、翌年にアルバム『火の玉ボーイ』でデビュー。ムーンライダーズでの活動の傍ら膨大なCM音楽の作編曲、アーティストプロデュース、ゲーム音楽などを手掛け、人々に大きな影響を与え続けている。映画音楽では北野武監督の『座頭市』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。13年新バンドControversial Spark を結成し幅広く活動。
竹中直人(俳優/映画監督)
1956年3月20日横浜市生まれ。多摩美術大学在学中は映像演出研究会に所属。8ミリ映画の制作に没頭し、監督から出演までこなす。代表作は『燃えよタマゴン』。77年『ぎんざNOW!』(TBS)の「素人コメディアン道場」で第18代チャンピオン。78年に劇団青年座に入団。その後、『TVジョッキー』(日本テレビ系)の素人参加コーナーにてモノマネ芸でチャンピオンとなり注目される。85年「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」(RGS)を結成。91年つげ義春の漫画『無能の人』主演監督。96年NHK大河ドラマ『秀吉』で主演の豊臣秀吉役を務める。
近田春夫(ロックンローラー)
1951年2月25日東京生まれ。慶應義塾高等学校在学時に音楽活動を開始。70年GS末期のバンドロック・パイロットに参加。クニ河内のバンド羅生門に参加。72年、元村八分の初代ドラマー恒田義見らとハルヲフォン(のちの近田春夫&ハルヲフォン)を結成。同年、内田裕也の1815ロックンロールバンドに参加。75年、谷啓とザ・スーパーマーケット結成に参加。77年『近田春夫のオールナイトニッポン』放送開始。78年『POPEYE』で連載コラム「THE 歌謡曲」を開始。06年近田春夫&ハルヲフォン・リローデッド名義でハルヲフォン再結成。13年、京都精華大学教授に就任。
寺山修司(詩人/演出家/映画監督)
1935年青森生まれ。青森高校時代に俳句を始め俳壇に注目される。早稲田大学在学中に18歳で第2回短歌研究新人賞。59年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始める。60年脚本『血は立ったまま眠っている』を劇団四季が上演。篠田正浩監督『乾いた湖』シナリオを担当。67年演劇実験室 天井棧敷を結成。同年『青森県のせむし男』『大山デブコの犯罪』『毛皮のマリー』を上演。69年フランクフルトの『国際実験演劇祭』に参加。71年映画『書を捨てよ、町へ出よう』サンレモ映画祭でグランプリ。ナンシーの演劇祭で『人力飛行機ソロモン』『邪宗門』公演。74年映画『田園に死す』で芸術選奨新人賞を受賞。75年市街劇『ノック』上演。様々な表現領域に挑戦した。83年没。
萩原朔美(映像作家/エッセイスト)
1967年から71年まで、寺山修司主宰の演劇実験室 天井棧敷に役者、演出家として在籍。退団後、(株)エンジンルーム設立、『ビックリハウス』編集長。現在、多摩美術大学教授。著書 『定点観測』(パルコ出版)、『思い出のなかの寺山修司』(筑摩書房)、『劇的人生こそ真実』、『死んだら何を書いてもいいわ』(新潮社)、『小綬鶏の家』(集英社)、『砂場の街のガリバー』(フレーベル館)ほか。
アレハンドロ・ホドロフスキー(映画監督)
1929年チリ生まれ。漫画家、セラピスト、タロット研究家でもある。サンティアゴ大学で心理学と哲学を学ぶ。マルセル・カルネの『天井桟敷の人々』(45)に感銘を受け、パントマイムにのめり込み、パリに渡り、放浪生活を送る。マルセル・マルソーと100本以上の芝居を演出した。57年トーマス・マン原作の短編『LA CRAVATE』を製作監督。ジャン・コクトーに絶賛される。70年代表作となった『エル・トポ』を発表。ジョン・レノンやアンディ・ウォーホル、ミック・ジャガーなどから絶賛された。
松本俊夫(映画監督/映画理論家)
1932年名古屋市生まれ。東京大学卒業。新理研映画で記録映画『潜凾』(56)を初演出。退社後、映画理論家として活動。『安保条約』(59)、『西陣』(61)等のドキュメンタリー映画を手がける。68年には『薔薇の葬列』で劇映画に進出、『修羅』(71)、『十六歳の戦争』(73)、夢野久作の『ドグラ・マグラ』(88)等の作品を監督。一方、『メタスタシス=新陳代謝』(71)、『アートマン』(75)、等、日本の代表的な実験映画作家の一人と目されている。著書に『映像の発見』、『映像の探求』、『幻視の美学』ほか。
山口はるみ(イラストレーター)
松江市生まれ。東京芸術大学油画科卒業。西武百貨店宣伝部、VCCを経てフリーランスとなる。1969年パルコのオープン。イラストレーターとして広告制作に参加。マンズワインのポスター、講談社Apacheカヴァー、フォームフィットジャパンのポスター、アオハタのCF、つかこうへい劇団ポスター、アサヒグラフ田辺聖子「吉屋信子伝」挿絵など制作。00年「21世紀への伝言ー凛として女・山口はるみポスター展」渋谷パルコ・ギャラリーで開催。78年『Harumi Gals』、80年『映画の夢・夢の女』、00年『WOMEN』を出版。MOMA、川崎市民ミュージアム、CCGAに作品収蔵。東京イラストレーターズソサエティ会員。
四谷シモン(人形作家)
1944年東京生まれ。10代に人形制作をはじめる。65年に澁澤龍彦が執筆した雑誌の記事と写真でハンス・ベルメールの作品を知り、球体関節人形をつくりはじめる。そのかたわら67年から状況劇場公演に出演。70年大阪万国博覧会せんい館用に人形制作。71年状況劇場に現役最後の出演。以後、人形制作に専念する。14年、そごう美術館と西宮市大谷記念美術館で大規模な作品展を開催。エコール・ド・シモン主宰。
大貫憲章(DJ)
1951年東京生まれ。71年大学在学時から音楽評論家としてのキャリアをスタート。当時無名のQUEENを日本にいち早く紹介したり、SEX PISTOLS、THE CLASHなどのロンドン・パンクを現地取材し、時代の節目節目でのキーを握る。76年、NHK-AM「若いこだま」でラジオDJ活動開始。79年、日本初のUKチャート専門番組となる「全英TOP20」をラジオ日本で始める。現在はInter FM『KENROCKS NITE ver.2』で相方のKatchin'とともに、選曲、構成、パーソナリティーの三役をこなす。
HONMOKU AREA-2(旧マイカル本牧の映画館跡)
7.31 Fri
~
8.2 Sun
NPO法人Offsite Dance Project
横浜アートフェスティバル実行委員会
NPO法人Offsite Dance Project
090-6346-5820